選抜高校野球大会 悲しみを超えて

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昨秋の県大会では準優勝を飾り、21世紀枠で行進出場を勝ち取った石巻工の主将が選手宣誓し、春の選抜高校野球大会が開幕した。

昨年の東日本大震災で石巻は被災し、津波は海岸から2キロ離れた石巻工まで押寄せた。
校舎は1階が水没し、部員は3階に避難したが、3日間出られなくなった。その間も避難してきた高齢者の世話に当たっていたそうです。

津波が残していったヘドロは11cmもグランドに積もっていた。
「野球がやりたいか」という松本嘉次監督(44)が呼びかけに、全員が「はい」と即答し、泥かきを始めた。悪戦苦闘ぶりが伝わり、自衛隊や米軍、ボランティアら延べ1000人が手伝いに駆けつけた。1カ月かけ、2トントラック300台分の泥やがれきを撤去した。

今月15日 抽選で選手宣誓が決まり、石巻工ナインは宿舎の2階の広間にホワイトボードを置いた。「東北、宮城、石巻を代表するものをみんなで作り上げよう」と、ナイン一人一人は思っていることを率直に書き込んでいる。

「勇気」「感謝」「底力」「あきらめない」……。阿部主将は「笑顔」という言葉にこだわった。「自分たちにできるのは笑顔のプレー。いろんな支援を受け、元気で頑張っている姿を全国に見せることだ」と。克彦さんの案をベースに文章を練り、17日夜に完成した。

20日のリハーサルは発熱のため欠席したものの、ぶっつけ本番で大役に臨んだ。
「正々堂々とプレーすることを誓います」。大きな声で宣言すると、甲子園が大きな拍手に包まれた。

【選手宣誓全文 】

東日本大震災から1年、日本は復興の真っ最中です。被災をされた方々の中には、苦しくて、心の整理がつかず、今も当時のことや、亡くなられた方を忘れられず、悲しみにくれている方がたくさんいます。

人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。

しかし、日本がひとつになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ、日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を。

我々、高校球児ができること、それは、全力で戦いぬき、最後まであきらめないことです。今、野球ができることに感謝し、全身全霊で、正々堂々とプレーすることを誓います。

平成24年3月21日

選手代表 宮城県石巻工業高等学校 野球部主将 阿部翔人



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